今井翼

Maison d'Ailes

今井翼にハマりそうな、拗らせそうな。一般目線とヲタ目線を行ったり来たり。ファン未満の葛藤。

今井翼主演「マリウス」原作「FANNY」とフェミニズム vol. 3

⭐️ネタバレあり。閲覧注意。山田洋次監督「音楽劇マリウス」の感想ではなく、原作脚本の感想です。マリウス今井を先入観なくご覧になりたい方はご遠慮くださいませ。⭐️



一昨日、フェニミズムのお話大したことないので…と書いておりました。

ストーリー展開、ファニーの思考回路に「ん?」と疑問を持つのは頭でっかちで憐れな女だけかも★そんな女、きっと翼くん嫌いだわ、彼は肉体を使って生きてきた男、余計なことは考えない健康的な女性が好きに違いないわ、あーやっぱり書くの止めたい(>_<)でもタイトル打っちゃったし…と逡巡しておりました。←でも、翼くん自身は考える人よね。Le Penseur⭐️


しかし、タイムリーに滝本美織のブログ(密かに楽しみにしている。)でも「台本を読んでシングルマザーになればいいだけなのに何故みんな大騒ぎするんだろうと思っていた。」とあったので、私のような心が猫の額のように狭く尚且つ薄汚れている女だけでなく、うら若きお嬢さんも不思議に感じるのねと勇気づけられ、若しや物語への陶酔の妨げになるやも知れぬ1930年代に生きる人々の思考を決定づけた歴史背景について微力ながら迫ってみたいと思ふ。不思議発見☆←1文が長い人は呼吸も長くて長生きするらしいよ❤️



⭐️まず、登場人物紹介。(Marcel Pagnol “Marius”より)

マリウス :22才。かなり細身(翼くん…。)。その目は航海路に深く注がれ、考え込んでいる。快活な男。

セザール :マリウスの父。50才。Bar de la Marine(海洋のbar、航海のbar。barでお酒を置くカウンターのあるカフェ)の店主。ひどく毛むくじゃらの腕を持つ、大いにがさつで気持ちの良い男。

パニス :50才。セザールの幼馴染。(子供の頃のエピを読んだ感じではセザール=ジャイアンパニスのび太っぽい。)船の帆を売る店を経営。小金持ち。

ファニー :18才。小さな屋台で貝を売る少女。マリウスの幼馴染でマリウスが好き。

オノリーヌ :45才。ファニーの母。マルセイユの美人(なのか立派な、なのか未だ不明。belleを使っている。)魚屋。


⭐️次に話の大筋。

マリウス船乗りになりたい。→ファニー船に乗るマリウスを見送る→ファニー妊娠発覚。→2年も待てないのでお金持ちのおじさまパニスと結婚する→マリウス2年経たずにマルセイユに帰ってくる。→すっかり奧さんしているファニー(&パニス)宅にマリウスがやってくる←vol.2までのあらすじね☆


⭐️ここに至るまでのファニーの思考回路。

「マリウスの子供を妊娠した。私生児産んでも、正直でいい男のマリウスが行ってしまったということは子の父親はマリウスじゃないんだろうと後指指されてしまう。私悪いってなっちゃう、私生児育てるの辛い。子供かわいそう。お母さんも楽させたい。お金持ちのパニスに一生女中でいいから、子供の父親になってもらおう。」


いかがでしょう?
2017年に生きる女性の皆さん、すんなり腹に落ちましたか?「マリウスに妊娠したの知らせないの(o_o)?」って思いませんでした?疲れた頭でこれを読んでいる残業帰りの管理職お姉さん「まず、話し合おうか…。」と一体、何処から突っ込んだら?という出来の悪い部下を諭すような気持ちになりませんでした?

始めから躓いてしまいますね。しかし、諦めたらそこで試合終了ですよ©️安西先生
頭に靄をかけて、マリウスが夢を諦めてマルセイユに帰ってきては可哀想だから…と100歩譲って知らせないことに納得しましょう。

しかし…、だがしかし、次では必ずや皆、躓く。



何故、パニスと結婚する??



何故、好きな男性の子を孕っている18才の若い女の子が、好きでもない50のおじ(い)さんと即、結婚できるの???
お前のマリウスを想う気持ちはそんなもんだったのかー!私が翼の子を妊娠したら、2年どころか10年だってタカラモノの息子(翼似❤️)と2人で待つわよー⭐️⭐️⭐️!!!


汚らわしいっ!汚らわしいわっ!と憤りました。プリಠ_ಠ 私が読んだ限りでは、このファニーさん、パニスとの結婚までの葛藤が驚く程少ない。台本なので登場人物の心理描写はないのですが、台詞から鑑みるにオノリーヌから説得され、決断するまでが非常に早かった。
18才にしても幼すぎるのではなかろうか?情緒や知能が育っていないのではないか?訝しんでしまいました。それともフランス人らしい現実主義&弁証法的思考?


瀧本美織は山田監督脚本で「(マリウスの子を妊娠して)なんでこんな大騒ぎするんだろう。」と思ったそうですが、原作では周りもそんなに大騒ぎしているようには感じませんでした。
オノリーヌも最初こそ「このあばずれが!私生児を産んだら、さすがゾエ(bitchとして街で有名なファニーの叔母。クロディーヌの他にもう1人オノリーヌの姉妹がいる。)の姪だと言われちまうじゃないか!!」と激怒するのですが、怒りもそこそこ、妊娠していることを黙って(…。)パニスの所へ嫁げと言う。オノリーヌは子供の為に「パニス」の名前が要るとも言っている。ファニーの家はあまり裕福ではない描写もあります。


つまり、小金持ちパニスの家に嫁いで、若干DQN家庭が托卵&社会階級のステップアップを同時に実現しようぜ♪って話なんですよ。怖いよ!
ファニーは超現実主義者。オノリーヌに至っては女衒。ファニー&オノリーヌ母娘、抜かりなし。



震える。戦慄しました。人って怖いですね、皆さん…。
結局、ファニーはパニスにマリウスの子供を妊娠していると打ち明けるのですが、パニス(男やもめ)はどちらが原因かわからないけれど不妊だったので子供が出来るのが嬉しい、子供(と若くてピチピチの18才)が手に入るのでBienvenue!セザールも「俺の孫だー!」と始めはファニーとパニスの結婚に反対するのですが、「名前はマリウス・セザール・パニス・オノレがいいな。」などと早々に納得。マジか。

登場人物に感情移入できません。それどころか若干引く。ファニーetオノリーヌには、倫理観や貞操観念の点において、同じ女性としてほんのり嫌悪感を持ちました。フランス人相手に貞操観念もないけれど、親子共々相手に寄生しようとする誇りの無さが嫌だった。


しかしながら、白水社版の解説で演劇評論家三宅周太郎氏は、ファニーを全男性の「夢の女」とまで絶賛しています。ハムレットのオフェーリアと並べてまで。言い過ぎ。「マリウス」が翻訳されれば、ファニーが夢の女だってもっとよく解るから❤️と、うれションワンコのようなテンション。
山田監督も「ファニーという演劇史上に輝く素敵なヒロインを作り上げるのを楽しみにしている。」と「マリウス」HPに書かれていらっしゃる。


白々とした気持ちになります。

私の心が猫の額のように狭く、尚且つ汚れているから←本日2回目、このように感じるのでしょうか?いいえ、戦後日本の教育の賜物です。と、同時にファニーのことも庇ってみたいと思います。

さて、前述の三宅氏、「ファニーのような女性像がフランスから入って来たのは昨今の日本への『アイロニー』のよふな気がする。」とまで書いていらっしゃる。夢の女ファニー絶賛。日本女性形無し。

「ファニー」が本国で世に出たのは1931年。日本で和訳が出たのが1935年。どのような時代背景があったのか?

1931年満州事変、えらい戦前。そして女性参政権の条件付き法案が衆院で可決、しかし貴族院で否決、廃案に追い込まれた年なのです。
1935年美濃部達吉天皇機関説」事件、自由主義の死。
大正デモクラシーから始まった民主主義、男女平等の機運が統制により一気に下火になり軍国主義に向かっていった時代です。

三宅氏の解説から、平塚らいてう先生、市川房枝先生らによる婦人解放運動を、戦火の足音がカッツカツ聞こえるイケイケJaponの男性が如何に苦々しく見ていたか想像に難くありません。脊髄反射で生きているようなファニーを大大絶賛とは、考える女性へのアイロニーのよふな気がするよ、三宅先生。Le Panseur(ロダンの考える人。考える男性)はよくてLa Panseurse(考える女性)はダメなの?

泣ける。ファニーより、らいてう先生、市川先生はじめ女性解放運動に携わった先達の皆様方のご苦労を思うと泣ける。どんなに風当たりが強かったことでしょう。家族や親戚から責められたり、縁を切られることもあったと予想できます。正直、愛やら恋より人権獲得の方が大事だよ!人間の尊厳は守られなければいけない。それなのに三宅先生ったら、ファニーに鼻の下伸ばしちゃってさ。 らいちょー先生方、可哀相じゃん。 寧ろ、物語よりらいちょー先生に感情移入してしまいませんか?皆さん!

今日、このように私達が参政権を持ち、男女平等の高等教育機会、雇用機会を得、頭でっかちになれたのも雷鳥先生方のおかげです。大戦前の女性解放運動が戦後、参政権に始まる、女性の権利獲得に与えた影響は大きい。

その後、1960年代後半から1970年代の学生運動、ヒッピームーブメント、1986年施行の男女雇用機会均等法を経た日本社会は、完全に男女平等な高等教育、雇用が当たり前になります。その社会で教育を受け、働いてきた私達(特に士業、総合職の女性ね。)が、女性性を担保に生きていこうと即断したファニーに違和感や嫌悪感を持つのも致し方ありません。



対して、1931年のフランス。


ごめんなさい。力尽きました。
どれくらいの長さでしょう?長いですよね。キリよく、vol. 3で終わりたかったのに〜!
続きは次回。



追伸
フランス版wikiによると、「マリウス」原作者マルセル・パニョルのオリジンはスペインでした⭐️ 15世紀にスペインからフランスへ移住して来たのですって。

だから、フラメンコあるのね(๑˃̵ᴗ˂̵)❤️
まだ「ファニー」の和訳と原書少ししか読めていないのだけど、劇中のマリウスとセザールもスペイン系の記述あるのかな?




翼くんへの追伸
和風総本家、ぶんぶぶーん、楽しみ(๑˃̵ᴗ˂̵)
お忙しくて時間の使い方が難しいでしょうけれど、起床就寝サイクルが乱れませんように⭐️神経を張り詰める時間が長くなるからこそお家ではテンションを緩めて、時にはNゲージを楽しむ時間を持ってね。

私はマリウス無精髭ありがいい(๑˃̵ᴗ˂̵)ー❤️❤️けど、22、3才の役だから無い方が若者らしく見えるかしら?