Maison d'Ailes

今井翼にハマりそうな、拗らせそうな。一般目線とヲタ目線を行ったり来たり。ファン未満の葛藤。

マルセーユの人々へ vol.1、今井翼主演「音楽劇マリウス」

何十時間か一緒に過ごすうちに、マルセーユの人々を大好きになっている自分に気づきました。

 台本、ファニーの演出が気に入らなかったのに、最後まで観劇を続けられたのは皆様の魅力的な演技のおかげです。翼くんを好きなだけでは無理でした。役そのもの、いえ、役以上に気持ちを伝える素晴らしい表現を拝見することができ、心より感謝しております。

今井翼とまたご共演くださいますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます❤️←私は一体誰なのか?翼くんも見ず知らずの女に勝手に呼び捨てにされて、勝手にお願いされては迷惑なのではないか?

 

⭐️セザール: 柄本明

ひれ伏すほかありません。

柄本明さんが凄いのは勿論、知っていました。自由自在。自由自在に役を乗りこなし、更に想像を遥かに超えた解釈で毎回、驚かせてくださいました。えもやんには泣かされそうになりました。「えもや〜ん!」と山田ファニーよろしく叫びたいくらいです❤️えもやんがいなかったら、翼くんには悪いけれど、4割減の出来になっていたと思います。えもやんがいたから舞台が締まりました。

 

山田監督もそうですが、柄本さんとご一緒させて頂けたことが今後の今井にとってどれ程の糧となるか計り知れません。また、ご縁に恵まれてご一緒させて頂けますよう夫婦共々、切に願っております。←妄想糟糠の妻、うん❤️筆ペンで縦書きするよね❤️

 

⭐️パニス: 林家正蔵

香葉子と泰葉とオレンジの着物とオムライスがよぎらなかっただけでも良し。だったのですが、さすが噺家さん!笑いの演技の呼吸が素晴らしいと思いました。あの舞台上で1番明るく心地よい笑いを熟知してらしたのは、間違いなくこぶちゃん❤️さすが林家の笑い❤️

一般的には、マリウスに摑みかかる泣きの演技が評価高かったようですが私はあまり…。大袈裟とか五月蝿いような分かりやすいのってあまり好きじゃないから。 

 

こぶちゃんのBest actは、マルセーユの群衆の中、マリウスを見送る姿です。あれは良かった。同級生セザールの息子マリウスはパニスにとっても生まれてきた時から見てきた可愛い子だったはず。しかし、マリウスの子供と元恋人を結果的に奪い、マリウスの居場所さえも奪うことになってしまった。エゴと分別、マリウスへの想いが混然一体となった大変良い表情でありました⭐️

 

でも、千秋楽ははっちゃけ過ぎて台詞忘れて広岡さん方に助けられてたでしょ?あれははっちゃけ過ぎ。新喜劇じゃないのよー!

 

カテコのご挨拶も短い中で、座長を立てた笑えるエピソードをお話しくださり、その低姿勢もまたご立派な方だと傷み入りました。こぶちゃんはモテるらしいね(๑˃̵ᴗ˂̵)⭐️

 

⭐️ブランさん: 綾田俊樹

脇をしっかり固めてくださったブランさん。

ブランさんは何気にセザール、マリウス、パニス渡し船の船長さん、オノリーヌ、ファニーと劇中、最も多くの役と絡んでいたのではないでしょうか?セザールとの笑いの場面や良し、マリウスとの知らんぷり場面や良し(「父ちゃんデートに行く」のところです。)。何をか言わんや、芸がお達者であると言うことです❤️

柄本さんに次いで、この舞台を締めてくださっていたのが綾田さんでした。

 

カテコのご挨拶も笑わせてくださって。脇役ということをしっかりと認識しながら役目を十二分に果たす。職人さんのようでした。

 

先日、ハットにスーツ、トレンチのおじいさまを見て「あ!ブランさんだ!」と思いました。それくらいブランさんは心に焼き付いています。

 

⭐️私のオノリーヌ: 広岡由里子

オノリーヌがあんなに素敵でコケティッシュなママンだとは初めて知りました❤️

原作のオノリーヌは、エゴイストでなかなかに強かで俗物。そして、がさつ。娘を思う気持ちがあるとは云え、毒気が強くて困惑するくらいでした。でも、広岡さんは原作のfondを残したまま、とびきり素敵なオノリーヌを見せてくださいました。オノリーヌはマルセーユの太陽でしたよ⭐️原作をお読みになっていたのでしょうか?本当に不思議⭐️

新聞評で絶賛されていた際は、自分のことのように嬉しかったです。

 

遠くの席からオノリーヌを見ていると明るく楽しいのですが、近くの席から見ると思いの外、悲痛な表情をなさっていました(ファニー妊娠発覚場面)。後半になるにつれて、オノリーヌは母親の重さが出てきたように思います。ファニーとのバランスを考えた演出でしょうか?だって、オノリーヌはファニーよりチャーミングでしたからね❤️❤️

細くて白い手足にキュートなバン(お団子ヘア)を載っけて、ふんわりしたワンピースの衣装がとてもよくお似合いでした。多分、魚屋屋台の売り上げ金が入っている大きなポシェットも可愛いかった。さっすが、マルセーユの美人魚屋!

そのお姿で「60万フラン⁉︎」とよろめかれるのは最高にチャーミングでした❤️年をとったら、オノリーヌみたいになりたい。

と、ここまで書いて判ったのですが、オノリーヌは私が持っているフランス女像の1つに当てはまるから好きなのです。広岡さんは、間違いなくフランス女でした。

 

スピンオフ“Honoline et Claudine”を是非是非、拝見したいです。オノリーヌとクロディーヌの若かった頃のエピソードも見たいなぁ。オノリーヌにまたお会いしたいです❤️

 

広岡さんのもカテコご挨拶もお聞きしたかったです。

 

⭐️私の叔母、クロディーヌ: 田中利花

昨年、死なれた実の叔母を思い出していました。私も姪を溺愛しておりますが、叔母は母親と違い少し無責任に可愛がれるのですよね。

 

クロディーヌが舞台に現れると、音も流れていないのにリズムを感じます。田中さんが音楽!明るく洒落た雰囲気が生まれるのです。お歌が素晴らしいとのこと、是非、今度、お聴きしたいと思います。

クロディーヌとオノリーヌのコンビネーションは最高で、お二人がいらっしゃる場面は何れも大好きでした❤️

 スピンオフ「オノリーヌとクロディーヌ」が観たいです❤️

 

⭐️ピコアゾー: 阿南健治

カメラが入った日に千秋楽、ここぞという日には爪痕を残したくて堪らないピコアゾー。自分の見せ場を作りたくて、尺が長くなるピコアゾー。

今置かれているポジションと目指すポジションが違う。そんな哀愁と遣る瀬無さを感じさせるピコアゾーも大好きでした。もしかしたら、1番感情移入出来ていたのはピコアゾーかもしれません。マリウスは翼くんが演じているから、感情移入出来ていました。

 

ピコアゾーは植民地であるアルジェリア生まれのアルジェリア育ち。

 

フランス語学習者なら必ず読んでいる(仏検2級位で)パリ郊外からの成り上がり物語。パリ郊外の移民が苦学の末、ひとかどの人物になりましたと云うあれです。

いまいち私はよく分かっていなかったのですが、テロリスト立て篭もり、銃撃戦が起きたというニュースや「L'écriture, elle est…のヴィrギュルはなきゃ絶対ダメ!!パリ郊外の本も読まない子だと思われる!!」とINALCO(フランス国立東洋言語文化学院)卒の日本語ペラペラパリジェンヌに言われ←Mademoiselle Bはインテリなのでそんな事は言わない。、端的にパリ郊外がどういう所かが分かったものです。

 

1931年のマルセーユ、ピコアゾーはそれ以上の偏見に晒されていたことでしょう。

ピコアゾーだって、望んで今の自分になったわけではありません。流れ、流れて斡旋業で糊口を凌ぐようになったはずです。プティを売り飛ばそうとしたりしますが、良い事か悪い事かの判断がピコアゾーにはつかないのです。きっと教えられていないから。

 

ピコアゾーだって、マレジー号に乗りたい。でも、即座にボースンに断られています。お前じゃ駄目だと。

本当は悲しさを覚えているはずです。「二枚目」、「色男」、「マリウスの若旦那」と呼ばれ、可愛いファニーもいて皆に愛されている友人マリウスを横目に見ながら。ピコアゾーが連れて来ちゃうのは女装の男性娼婦だし…。

 

ピコアゾーは道化師としてその役を全うしましたが、その陰にはこれだけの哀愁と遣る瀬無さが潜んでいるのです。

演技は明るくて賑やかだったのに、それを感じさせてくれたのは阿南健治さんです。


スピンオフ「ピコアゾー」も見たいな。シリアスでちょっと重くて、でも笑い飛ばそうとするような…。

ピコアゾーはベルベル語とフランス語を話せるはず。でも、両方中途半端で、現実生活で斡旋業の交渉は出来ても、自分の感情を十分に言い表したりはできないかもしれない。(現代のベルベルの方々も、ベルベル語、フランス語共に正確には話せない人が多いそうです。ベルベル日本ハーフの子が言っていました。)

そういった2つの民族、文化間で育った人間の難しさ、切なさも持っていると思います。

最後は、泣き顔で笑うピコアゾーのカットで終わりそう!(でも、ピコアゾーはどうして自分が泣き顔になっているのかはわからないの。)

 

⭐️ファニー: 瀧本美織

最初は、ファニーが原書、原作翻訳と違い、あんな役にされてしまって美織ちゃんが不憫だと思っていました。

おさるのジョージ(ひとまねこざる)演らされて、女性客の共感は得られず(瀧本美織が出演していたNHKの朝ドラ見てて、サラッとjuste娯楽として観劇して「可愛いかった。」、「かっこよかった。」、「泣けた。」、「面白かった。」くらいの簡単な感情変化で充分楽しめたと思える女性客、翼しか観てないんで、シメちゃんしか観てないんで客以外の女性客は、引っかかりまくりの台本、ファニー像)、ちょっとお辛いのではないかと思っておりました。

 

しかし、瀧本美織は太いタマだった。

 

カメラが入った日、前楽、千秋楽だけは、きちんと演技したの。それまでは、他の演者さん方が毎回、変わる中、最初から最後まで、ずーーーっと判で捺したように一本調子だったのに。

カメラが入っていた日は、「やっぱり演出に納得いっていないのね。怒られても自分のファニーを記録に残したいのだわ。」と思ったものでした。演出であんな風になっているのだと。

 

しかし、25日soirée、難しい曲でハーモニーを一切無視し、ひどく音程の不安定な歌声を自分本位に張り上げてきた時、「この子、相当気が強いのだわ。自分が主人公でいたい人なのね。」と気づきました。本性見たり!(聴音やってなくても、ちょっと一所懸命、吹奏楽やってましたくらいであの音程のずれはわかると思う。コンクール前、自分の楽譜の音符1つ1つの音をチューナーで測って「プラ10ー、マイナー15ー」とか歯医者さんでの虫歯チェックのようにピッチを合わせる努力をするから。ハーモニー命で、音程ずれてる音は吹かせてもらえないから必死。実は、じゃない方の彼が観劇後、開口一番言ったことは「歌、頑張らないとダメじゃないか?」でした。)

いいのよ、女優は気が強くないとやっていられない。

 

でも、前楽、千秋楽を観ていて、ずっと洋次の演出だと思っていたけれど、瀧本美織自身の判断であの演技だったのではないかと初めて思うようになったの。 今までそう思わせていたことも含めて太いタマだわ、瀧本美織

 

続いて、彼(翼じゃない方)との第1回ツバサイマイ公会議。ニケーア公会議的な?←付き合わされている。

 

山田ファニー問題について彼はこう言った。

 

「昔からあるよね。古い日本映画でヒロインが浮くくらいにする演出。孤高のヒロインていうかさ。山田洋次の映画にもいつもマドンナ役いるでしょ。

瀧本美織は上手いんじゃないの?昭和なおじいさん監督の言うとおりにするのが。宮崎駿の「風立ちぬ」でも声優やってたでしょ。」

 

マジか。知らなんだ。

宮崎駿の描くヒロイン像(キキ、さつきとメイ除く)、村上春樹の描くヒロイン像が苦手な人は、山田ファニーも駄目だろうなと思って観ていたのです。←私のことです。

山田ファニーが「おじさんのペット」だと思っていたら、瀧本美織自体が「昭和おじいさん(夢見がち)御用達」だったと言う…。美織ちゃんのマネジャー!ハルキんとこに走った方がいいよ!

 

ならば、あれは演出もあるとしても美織の演技…。

美織ちゃんには、後半の台本を変えてもう1度、人間になったファニーを演じて欲しいと思っていました。でも、美織ちゃん自身があの演技を自主的にやっていたのだとしたら、もう結構かな。

 

高齢化社会とは言え、山田ファニーのヒロイン像を好む年齢層の方々はもう独りで外出できる人は大分少ないでしょう。 

 

翼担の観劇回数も全く同じままの再演になったら減ると思います。ちょっと変えないと。

ソロコンかPZ観たい、踊る翼が観たい方が殆どじゃない?お話楽しめなくても、翼くんを想う一心でそこは頑張って皆さん、観に行っていたのではないかしら?翼くんの成長を見たい、翼くんを見たいって。

追っかけすること自体が趣味の人以外、私のように翼くんのお芝居が観たくて行っていた人は少数派だと思います。アイドルとしてデビューしているのだから仕方ないわ。これまでは、お芝居よりダンスだったし。

 

でも、私とて同じ台本で再演なら、初週、中日あたり、前楽、楽日の4回しか観ません。←充分ですか?

後半の台本と演出変えてくれるなら、今回と同じ以上には観に行く。

 

毎回、会場の埋まり具合を確認しながら「これが翼くん主演じゃなかったら、どうなっていたんだろう。」と、いつも思っていました。←もはや、スタッフ目線なのか、妄想役者の妻目線なのか何なのか分からない。日生劇場で、3週間度々1日2公演は出来ませんでしたよね。

 

となれば、松竹様!

相手役女優を変えるのに託けて、洋次に後半の台本変えてもらいましょう!!上手いこと、松竹の帝王洋次を乗せて!

 

松竹様も熱くて濃い固定客の付いている今井翼柄本明等を固定で、ファニーを若手清純派女優の登竜門的位置付けにして再演したら、美味しいでしょう?「今年のファニーは?」(「アニー」みたい。)と話題になるし、セットと衣装代もかからないわよ⭐️

翼担も脚本、構成変えましたとなれば、「踊るところ増えたかも?」と新たな気持ちで観劇回数を増やすはず。

 

は!美織ちゃんの話からずれている。

 

美織ちゃんはね、凛々としたトライアングル声でソロ歌唱が映えるから、お歌の練習をしっかりしてミュージカル女優におなりなさい。その気の強さを活かした強い役の洋物でお客様を呼べる女優におなりなさいね。前田美波里さんにおなりなさい。嫌だ?もっと、演技上手いんですイメージが欲しい?ハングリーね。じゃ、草笛光子さんを目指しなさい。

この度は「翼        く         ん 」 とご一緒してくださって、ありがとうね。


あ、カテコの「出会ってくださってありがとうございます。」と涙ぐむのも、清純派イメージをアピールするにはどのような言葉、態度が相応しいか前の日から考えていたのでしょう?場合によってはマネジャーと考えたのかしら?涙を見せるのなんて女優はお手の物よね(暴れ馬エリカ様もすぐ泣けるのが特技だそうよ。)と、千秋楽まで観続け、美織ちゃんに対してすっかり用心深くなった私であった。←考えてみたら、ローティーンの頃から芸能界にいる女の子が純粋無垢で清純なわけないわね。気が弱いわけないですよ…。

「出会ってくださって」に印象的な上手いこと言ってやろう感、下手に出て観客をくすぐろう感が出ちゃってたわ。一般的にしない言い回し。山田監督と柄本さんは素直に「お越し頂いた皆様に感謝します。ありがとうございます。」(ニュアンス)じゃなかった?普通だったら、そういう言葉が出るわよ。女優さん方の間では一般的な「おじさん殺しフレーズ」(業界の権力者用)なのかしら…。



いいのです、女優はそれくらいで。中身がバレた方が女性人気上がるかもね⭐️その気の強さとハングリー精神で芸能界の荒波を渡ってお行きなさい!


 

 

À suivre.


追伸

美織ちゃんに急に辛口になったと思っているでしょう?

そうではなくて、初日から見続けた瀧本美織、山田ファニーに初めて変化が見えたのは22日soiréeだったの。公演が終わる5日前。だから、後半に彼女への感想が集中しているのです。