Maison d'Ailes

今井翼にハマりそうな、拗らせそうな。一般目線とヲタ目線を行ったり来たり。ファン未満の葛藤。

シリアスコント、ドラマの新しいかたち「屋根裏の恋人」最終回「背徳の行方」今井翼以外編 vol.2 2017年7月22日

はい、続き。登場人物への感想、スタッフの皆様方への感謝編です⭐️

 

⭐️イザワヨシオ

ヤクザだったんだ、と云うのが感想。想像以上に悪い人間でした。

 

⭐️西條誠

真性クズ。殺人犯誠、「何かがおかしくなり始めたのは、杏子さんによろめいてからだ。」(ニュアンス)。あらあら、殺人まで愛人のせいにし始めましたよ、このお方は。仕事のストレス→酒に走る→愛人を作る→愛人の件で脅される→株価操作&殺人。

何かがおかしくなったのは、強いていうなら仕事のストレス。その前に、誠の気の小ささと繊細さですよね。ひょろりん息子、よく似てます。愛人に走る前に精神科でカウセリングと認知療法でも受けたらよかったのに。ビジネス街にある心療内科の数ったらありません。

気は小さい、器は小さい、何かあったら人のせい。何、この男?しかし、人格が変わるまで病んでしまったのかもしれません。良いところの金融、激務だものね。病院案件。

 

⭐️西條衣香

◯チガイ。サイコパス。衣香のグダ滅ぶり(グダクダして支離滅裂で定まらない様子。-Aile語辞典[第1版])、日単位で言うことが変わる若年性痴呆、気分のアップダウンぶりに、最初は更年期で婦人科案件だと思っていました。しかし、精神科案件かもしれないと思い始め、これ治んないヤツだ…と思うに至りました。ガラスのハートAile←神経過敏気味なので変な人を見つけてしまいやすい。の「接近禁止」レーダーがビンビン反応するサイコっぷり。加えて、シワ、弛み、デブのエイジングサインを引っさげて、性欲に狂ってニンマリ笑うグロテスクぶり。「ミザリー」くらい怖いよー。恐怖感、嫌悪感、拒否感、3拍子揃ったネガティヴ感情を視聴者に抱かせる、稀代の珍ヒロインでした。真性クズ&サイコパス夫婦、お似合いでした。

 

⭐️瀬野樹

「屋根裏の変質者」言って笑ってましたが、このお方も病院案件でした。セックスもせずにちょろっと付き合っただけの女に18年間も執着し、屋根裏に寄生。女に転び、妹を裏切り父の復讐を放棄、無実の罪を被り警察に出頭。女に翻弄されっぱなし。思い込みの世界に生きています。多くの視聴者の皆さんが持った「何故、樹が魅力のない衣香をここまで愛するのかわからない。」という疑問。

 

最終回、瀬野機器でのおかっぱ小町とのシーンの台詞で謎は解けます。「この18年間、バイオリニストの道を諦めなくてはならなくなってからは人に心を開けなかった。でも、屋根裏に住んで、(衣香に再会してから)心が和らいだ。」

原因、「耳」ですよ。「バイオリニストとして充分な聴力を失った。」これが樹のトラウマです。望む未来を断たれたその時から、樹の時間はずっと止まったまま。あまりのショックに一時は、多少、記憶喪失気味になり、せん妄状態もあったのではないでしょうか。衣香を好きと言うより、「衣香といると、耳がよく聞こえてバイオリニストを目指していた幸せな時代に戻れる。」、もしくは、「止まった時を再び動かすには、もう一度衣香に会うことが必要だった。」ゆえの執着です。何、この悲しいお話…。どうして、翼くんにこんな役を演じさせるの…。「屋根裏の恋人」の意地悪カメラ、意地悪プロットもなかなかにえげつなかったですね。容赦ないというか。

かわいそうに、レイプ犯から女性を守ろうとしたばかりに人生を棒に振ったお人好し樹。樹もいいだけ病んでたのですね。病院案件。衣香がサイコパスだから、病んだ男ばかり周りに集まるのでしょうか?

 

⭐️千鶴子先生

視聴者を一気に物語世界へと引き込み、素晴らしかった第1話では、もっと凶悪な変態役かと思っていました。しかし、何のことはない。蓋を開けてみれば、お金が好きな、派手で個性派の気のいいおばあちゃんでした。1番、清々しい役柄だったのではないかしら?

最終回、逃亡する息子家族に3億渡し、自分は自宅に残り、1人ベリーを舞う千鶴子先生。何かが高まってる…。何が?ま、そんなに深く考える必要ないと思うのですが、「誠さん、あとのことは私に任せて!」的な使命感でしょうか?千鶴子先生、戦闘態勢に入りました…。こういう方を妻に持ったら、夫は掌の上で転がされ、大成せざるを得ないでしょう。翼くん、千鶴子先生タイプをお嫁に貰えば?

 

⭐️菅沼杏子

女のプロです。翼くんを毎週見られるのも嬉しかったけど、声もお話の仕方も可愛くて、コケティッシュな理恵子パイセンを見られるのも嬉しかった❤️理恵子パイセンでなかったら、杏子はただの嫌な愛人役で、衣香以上に視聴者から嫌われたと思います。しかし、西條夫妻と樹が頭おかしいのもありますが、意外に普通の人として受け止められていました。

理恵子パイセン、五月みどりさんや由美かおるさんのように、80才になっても色っぽくて可愛い女のプロでいてくださいね❤️

 

⭐️杏子の若いツバメ晃。苗字は知らん。

お笑い要員。勝地涼さんがよく演じていたような、頭の弱い、気のいい恋人役をその背の高いイケメンぶりでよく演じてくれたものだと。笑うほど格好良いイケメンにアホ役っていうのも、可笑しみを醸し出すセオリーとしてありますよね。

 

⭐️和田刑事

最終回、もっと和田コロンボの活躍を見たかった。続編で、松沢さんのご活躍が見たいー!!!!

 

⭐️瀬野小町

おかっぱ小町、憤まんやる方なく、プルプル震えているのでは?ツイッターでは、ほんの一部、ごく局地的に続編かスピンオフで「ヒロイン瀬野小町待望論」が盛り上がっていました。

Aileは観たい。スピンオフ「復讐する女 -瀬野小町-」が。もっと深夜の時間帯で制作して頂けません?父は自殺に追いやられ、一緒に復讐すると誓った兄は裏切り、母は精神を病んで死んだ。

西條誠の出所日。瀬野家、西條家、3代に渡る愛と憎悪のファミリーサーガが幕を開ける。いいわぁ。小町、黒のロングコート着てダガーナイフで行きましょう。監督は中田監督でね。ひょろりん息子と恋に落ちてみたりする?や、やめよう。西條家、根絶やしで行こう。最後、樹を殺せるかどうかがクライマックスね。

キャッチフレーズは「日和ったんじゃないよね?」で。そんで、捕まえられる前にスウェーデンとかに逃亡してみたら?←スウェーデンシリアルキラーに甘い。最後、和田刑事に追い詰められて、フィヨルドにジャンプね。和田刑事は、また「せぇのぉこぉまちさぁん↑」って言ってね。おかっぱ小町、私達(すんごい一部)は、あなたがヒロインになるのを待ってるわよ❤️

 

⭐️シリアスコント、新しいドラマのかたち

コメディではなく、一見、シリアスにやってるんで!と見せかけながら、お笑いポイントを多数仕掛け、「さぁ、ツッコめ!」と、公式に煽る製作陣。

昔から、ドラマ実況はインターネットの掲示板に存在していましたが、制作側と視聴者が「可笑しみ」を共有し、視聴者の反応をダイレクトにドラマに反映していったのは「屋根裏の恋人」が初めてだと思います。「屋根裏の恋人」制作陣の皆様方は、「新しいTVの楽しみ方」を提示した、TV界のパイオニアです。

 

10年弱前までは、ネットとTVの対立構造は残っていたと思います。TV番組の制作側、タレントの姿勢や言動に、ネットの意見や感想は特殊な限られた人達のものだと云う「ネット=悪者」の図式にしようとする意図が感じられた。

しかし、2017年、TV業界、ドラマの世界もやっと世代交代したのかなぁと思いました。ニコニコ動画よろしく、ツイートをリアルタイムで番組テロップで流す手法は随分前からありますが、ドラマでSNSを上手く利用したのは、やはり、初ではないでしょうか。あと2、3年したら、デジタルネイティヴが入社してきますものね。

 

今、世間の働き盛り、各業界でメインストリームにいるのは、ネット黎明期、ちょうど2ちゃんねる(1999年にアメリカ留学中のひろゆきが設立)が誕生した頃に青春時代を送った方々だと思われます。

誰しもがインターネットの恩恵に預っている現代とは違い、スマホはなく、PCは大学や限られた人達の家にしかなかった。ユーザーが小学生にしろ、おじさんにしろ、ある程度の知識や学を有していた時代です。当時のネットは無法地帯、法整備は後手後手に回り、Google(1998年アメリカ、スタンフォード大学の学生によって設立)はじめ、多くのスタートアップが生まれ、インターネットの世界は無限の可能性に満ちていました。TVが楽しかった時代があったように、ネットが楽しかった時代があったのです。

時は流れ、スタートアップだったGoogleはすっかり大権威となり、何なら国家以外に世界を牛耳る存在になったと言っても過言ではありません。インターネットツールは「面白い玩具」から「日常使いの道具」へと変化し、私達は膨大な個人情報の提供と引き換えに、その恩恵を享受し、もうそこからは逃れられません。

そういった避けられない時代の流れの中で、また新しい「TVとインターネットの幸せな融合」←和解と言ってもよいのかもしれませんが。の形を見られたことは、大変喜ばしいことでした。うん、何事も何人も楽しく共存した方がいいからね(๑˃̵ᴗ˂̵)⭐️

しかし、この「ツッコミ待ち シリアスコント」の手法、諸刃の刃とも言えます。視聴者にポイントをツッコまれるごとに、制作側の手持ちのカードは減り、お笑いのハードルは上がっていく。同じボケを繰り返すことは許されません。ストーリー漫画家より、ギャグ漫画家の方が才能が枯渇しやすいと言われていますし、スタッフの皆様方は随分と消耗したのではないでしょうか?←追記:石田さんのインスタによると、全話の半分4話を撮った川村監督は、撮影期間中に6キロ痩せたそうです。

とにかく、凝りに凝って作ってくださったドラマだと思います。感動した人もいれば、Aileみたいに笑いながら観てた人、あまり好きではなかった人、受け止め方は人それぞれです。ある程度のターゲット像はあるかと思いますが、わりと全方位的に楽しめるよう、様々な角度から何度も検討して作ってくださったような気がしています。

 

⭐️大道具、小道具、よくわかんないけどセット

公式HP最終回の画像を見ていて思いました。誠殺人告白を聞く為に、リビングに集まった西條ファミリー。ペルシャ絨毯に、イギリスアンティーク風花柄ソファに、千鶴子先生、目が痛くなるような紫のグラデーションの服です。趣味悪っ!!!柄!柄!柄!で酔いそう。

屋根裏の小道具も大変楽しめましたが、西條家のモッサい成金ぶりというか、品の無さ、センスの無さを如実に表していました。

で、西條家が夜逃げする時のトランクが、これまた分かりやすく新品同様のグローブ・トロッター センテナリーシリーズのサファリね。グローブ・トロッターは、使い込まれて傷ついて、各国のシールがペタペタ貼られてこそ格好良いのです。お家で荷物入れて、インテリアとして積んでる方々もいらして、それはそれで素敵だと思います。

しかし、同じくグローブ・トロッター持ち(サファリじゃないですが。)としてAileは言いたい。このトランク、すっごく使いづらいのよ!!!知り合いのところで買ったので「使いにくいし、壊れないって言われてるけど、よく壊れるよ⭐️」と事前に言われていましたが、本当にそうでした。リモワがいいよ、リモワでいいよ。可愛いというだけで買った自分の失敗を鑑みても、西條家ってやっぱり外してると思いました。使った形跡なかったし、トロッター初の出番が夜逃げだったのでは…。

語る道具、セットも楽しみでした(๑˃̵ᴗ˂̵)⭐️

 

⭐️意地悪カメラと意地悪プロット

容赦なかったですね。息子がキーになる高畑さんの役柄、耳がキーになる翼くんの役、出来るだけ隠すのが一般的だと思いますが、敢えて強調されたような衣香のエイジングサイン…。

第7話で、衣香と千鶴子先生がダイニングで立ちながら向かい合う場面。千鶴子先生には照明当たってピッカー⭐️なのですが、衣香は逆光で余計ほうれい線やシワや弛みや目の窪みが…。このシーンを見るに至り、やっぱり確信犯なんだなぁと思いました。不穏な雰囲気を醸し出し、視聴者を不安定な心理状態に誘う、サスペンスというか、ホラーの味つけだったのかしらん。

 

そんな感じで、「屋根裏の恋人」演者の皆様、スタッフの皆様、楽しい2ヶ月間を本当に本当にありがとうございました❤️❤️❤️